新しい音楽との出会い方
人それぞれ嗜好に違いはあれど、音楽を聴くのが好き!という人はたくさんいて、人の数だけ好きな音楽がありますね。
知り合ったばかりの人と好きなバンドが同じだったことがきっかけでググッと仲良くなったり、遠巻きに憧れていた人の音楽の趣味に自分とは相容れないものがあることで近づきもせず一方的に疎遠になったり……
もちろん、嗜好に関係なく素敵な人は素敵で、音楽の趣味は別の話。この真理を若い時から心得ていた人は、素直に凄いと思います。
こちとら、「音楽嗜好がその人の名刺代わり、音楽嗜好はネットがない頃のツイートでありインスタ投稿であり、レイヤーが深ければ深いほど人物的にも奥が深いに違いない」という思い込みを30代半ばくらいまで抱えて生きていた偏狭人間。無駄に人を傷つけていなかったかと、20年も経ってから心配になったりする愚か者です。もう遅いよ。
この愚かな呪縛から私を解放してくれたのが、普段の生活や仕事を通して知り合った方々(音楽の話などしなくても快適で、したらしたでお互いの相違をただ見るだけ)や、知り合った音楽そのもの達だったのではないかと思います。
人に「音楽嗜好は名刺代わり」と思いながら対峙するということは、自分も「良い名刺を持ち歩こう!」という意識に囚われながら音楽を聴いていた側面が否めないということ。
齢を重ねることで解き放たれたことはたくさんありますが、大好きな音楽に関してさえ無意識に繋がれていた鎖があったというわけです。
そんな解放期とインターネット及びインターネットサービスの充実進化期が上手に重なってくれたことは、実にラッキーでした。
時は流れて50代、最近の「新しい音楽との出会い方」はごくごくシンプルです。
利用しているサブスクで毎週水曜日と金曜日にアップされる、新譜ばかりをピックアップしたプレイリストを欠かさず聴く。とりあえず全部耳に入れてみる。それだけ。
3秒で聞くのを止めることも多いです。興味深いかそうでもないかを判断するには、3秒あれば十分。
何回も聞き直してみたい新譜は専用のプレイリストに放り込み、日々ゆっくりと堪能します。それらが新しいお気に入りとなっていきます。
この2年お気に入りでしょっちゅう聴いているインドネシアのSSWをご紹介します。
最近のお気に入りはイギリスの23歳のSSW、REX ORANGE COUNTYです。3年以上前にサマソニにも来ているそうですが、私が彼の存在に気づいたのは最近のことで、サブスクの新譜プレイリストでこの曲を聴いた時でした。
未だコロナの終わりがハッキリとは見えないけど、この2人の若者は是非生きてる間に生で目撃したいな〜と思ってます。
部屋の掃除なんかしていて大量のレコードやCDの棚を拭く時、「ハア、もう一生聴ききれないくらい在庫がある(これでも、絶対に手元に置きたいやつだけに絞ったのに……)」とも思うのですが、日々 新しい音楽と出会うことはやっぱり楽しくて止められません。