もう、痩せない。

長い長い間、私は「痩せ・イズ・ビューティフル」の概念に囚われて生きてきた。そういう女性は、きっと多い筈だ。

常にローレル指数が肥満ギリギリの小学生時代に始まり、お年頃から恋愛至上主義的な女になり、つまりは恋愛がうまく行かない時には「私が痩せていないからだ!」と思う時もある思わない時もある…

いつの時代も共通して考えていた事は、痩せていないと着たい洋服を着たいように着こなせなくて哀しい、ということだったように思う。

ここまでの生涯、メイクアップと宝石に一切の興味を持たなかった。でも、音楽ほどじゃないけど洋服は大好きだった。

不幸は洋服の嗜好と自らの体型が全くマッチしていないことにあったが、人から見て不幸であっても本人は意外と小さな幸せを見出して、それなりに楽しんではいた。

30代から40代くらいのところで、突如 手持ちの洋服に似合わない物が増えた。極端な体型の変化はなく、着られないことはない。でも似合わない。ちょっとびっくりするくらい、急に振られたみたいな驚きを感じるくらい似合わなくなっていた。

なるほど、老化が始まったのだな。私は察し潔く降伏することにした。また似合うものを見つけて着たらいい、としか思わなかった。ファッション雑誌を一切見なくなったのも、この時期からかもしれない。

するとこの頃から、最高体重の更新が止まらなくなっていった。最終的には生活習慣病に起因する異常な高血圧により救急搬送されるというびっくり体験までついてきてしまった。

病気と言われたら治療を受けるしかなく、食生活の改善に成功して半年で15kgほど痩せてみた。

ワードローブ総取っ替えである。何を着てもスルスル入る!たのしい!40代終盤に来て、再び痩せ信仰が復活するかに見えた……

そこへコロナ禍が到来し、ある程度食べても太らないようにキープしてきた運動量がガクッと落ちた。ステイホームで仕事も思うように出来ず、食べてテレビを見てゴロゴロ。当たり前だけど、2年でまた太った。

もしも自分がもう少し理想高きナルシストであったなら、痩せをキープ出来ていたのだろうけど、残念ながら真逆の人間だった。しかも若い頃とは違って、そんなに「こうありたい自分」みたいなことばっかり考えてるわけには行かない。結構やることも考えることもいっぱいあるのだ!

食生活を改善して運動したら痩せることは、身を持って分かった。それをやりたくなったら、また頑張ろう。今はそう思ってない。だから、頑張って痩せない。

そんなことを考えていた昨年末の紅白歌合戦で、薬師丸ひろ子さんを見た。

女優さんだから実物は違うだろうけど、その晩の薬師丸ひろ子さんはとてもふくよかに見えた。そしてそれがとても豊かだな、美しいな〜と思った。こっちに行きたいな〜と、思ってしまった。

闇雲に太ったところで、「豊かで美しい」とはならない。だから、自分なりの「豊かで美しい」になるために食べ、運動する。そうしたい。

私は最近、スケジュール的にイケる時は1日に5kmくらい歩くようにしている。すっごく気分が良い!生まれてこの方、今がいちばん運動が好きかも。ご飯も美味しい。

  • arima