my own way

申し遅れましたが、私は小さな飲食店を経営しております。

朝は社会人としてはかなりのんびりスタート、ラジオを聴きながら車移動で仕入れ、音楽を聴いたり聴かなかったりしながら仕込みと開店準備、営業は夕方から。

今年でこんな生活が25周年になります。

商売は始めたら大きくしていかねばならないように思われますが、そしてその才覚がある方はそうなされば良い訳ですが、残念ながら私にはあんまり商才がないようです。

その為、「毎日DO THE BEST!」という気合と並行して、「どうやって綺麗に仕舞うか」という問題について考え続けるという二刀流シンキングタイムが生活の根幹なのです。

お金の心配さえなければ、飲食店をやるのは非常に楽しい仕事です。食いしん坊の天職。少なくとも自分が「これは美味しい!」と思う物を提供していれば、嗜好の似たお客様が喜んで集って下さって、それで生計を立てていける。もちろん衛生管理はプロとして徹底することは大前提ですが、毎日いろんなお客様とこれは美味しい、これも美味しい!とニヤニヤして生きていける。いい仕事だニャーお金の心配さえなければ、ね。

この先、個人の飲食店(うちは一応零細法人ですが、規模は個人店と変わらない)の行く末は暗澹たる悪路。これからもハッピーエンディングを見定めて、目指して、コツコツやるのみ!

そんな日々の暮らし。仕入れという名の買い物が日課なのですが、仕入れ以外の物欲がガックリと失われて来ました。食材以外に買う物は、人に差し上げる物か店の消耗品、あとはオヤツと煙草しか買ってない!

レコードやCD、洋服、雑誌・書籍、確かに20〜30代で一生分買ったかもしれない。にしても物欲、後退し過ぎ。

なんでだろうか、深く考えなくてもわかります。所有したくなくなっているんですね。

洋服は基本的には古着を買って「ようこそ、墓場へ!」とばかりに着倒して処分…の繰り返し。書籍は図書館の利用と電子書籍の利用。音楽はサブスク・サブスクに入らないようなものだけ、たまに買ったり。

買い物してないのに定期的に断捨離ブームだけが来て、徐々に持ち物が減っていく…エブリタイムアーリー終活の50代!

一度モノが少ない感じに慣れると、快適なんですよね〜。無くてスカスカなのが。清貧感も凄いけど。

所有欲の喪失を初めて自覚したのが30代から40代に突入する頃だったんですが、特に音楽に関しては「私がこの音源を所有しないとして、この音楽がこの世に存在してくれて、誰かが聴いていてくれたらそれで良し」という、お前それ誰目線なんだよ的な謎の達観が生じて、その事自体に戦慄に近い何かを感じました。

これから老後の人になっていくので、本当は然るべき備えをしないと他人様にご迷惑かけるなぁ…とも思うんですが、やっぱりこれからもいいライヴとか、美味しい食事やそれに伴うコミュニケーションの時間とか、ただ行ってみたい所へフラ~ッと移動してみるとか、そういう形のないものに出費していきたいです。所有、したくない。

  • arima